MiのAsian Life in HK

香港在住2年目。香港での生活や海外旅行など。

ぜひ1度見てみてほしい。香港の一面を考えさせられる映画「淪落人」(Still Human)

日本へ一時帰国をしていましたが、先週やっと香港に帰ってきました!

そして、早速、映画を観てきましたよ!(2週間か週1は映画行ってる…)

 

それが、こちら。

4月11日の公開スタートしたばかり、香港を舞台にした香港映画

 

淪落人」(Still Human)

 

  

 

淪落人

題名:Still human(英語)

題名:みじめな人(日本語)

監督:陳小娟(オリヴァー・チャン)

出演:黃秋生(アンソニー・ウォン)、姬素孔尚治(Crisel Consunji)、李璨琛(サム・リー)、葉童(イップ・トン)、黄定謙(ヒミー・ウォン)

淪落

落ちぶれる。墜落する。という意味。

 

英語の題名の方が何だかしっくりきます。

 

あらすじ

工事現場での事故の影響で、全身麻痺状態になってしまった初老の男性・昌榮。孤独な一人暮らしを強いられる彼のもとに、フィリピンから住み込み介護の家政婦がやってくる。彼女イヴリンは、広東語を話せない。コミュニケーションがとれず、イライラをつのらせる昌榮であったが、ひたむきに介護を続けるイヴリンの姿は、ゆるやかに彼の心をときほぐし、気がつけば二人は親友のような関係になっていたのであった。

引用:第14回大阪アジアン映画祭HP

 

香港の家政婦さん「阿媽(アマ)さん」

 

このあらすじにある「住み込み介護の家政婦」というのは、あまり日本では馴染みがないかもしれませんが、香港では夫婦共働きの家庭が多いので、家事や子供のお世話をしてもらうために、住み込みの家政婦さん「阿媽さん」を雇う家庭が多いです。

 

共働きが多いのは、男女平等にキャリアを築ける社会環境や、家賃がバカ高いため稼ぐ必要があるということも要因としてあるようですね。なんと女性の産休はたったの10週のようですよ。(日本は前後14週)

 

 

そして、阿媽さんを雇う条件としては

  • 月額最低 4,310 香港ドル(約 6 万円)の給料を支払う
  • 2年に一度故郷へ里帰りをさせる(1週間以上)(費用負担は雇用者)
  • 週休 1 日制、年間有給休暇1週間、病気休暇を保障
  • 雇用者は給料の他、住居および食費を保障
  • 3 ヶ月間の産休を保障(産休期間は有給)
  • 雇用者は医療費を保障 

 

等々となります。大体エージェントや友人からの紹介、ウェブサイトから見つけるみたいです。確かに住み込み(住居・食費込み)でも上記のお給料をもらえるので、出稼ぎに皆さんいらっしゃっるのかと思います。

 

(フィリピンは貧困の差が激しいですが、平均年収48万円とか)

 

住み込みの方がほとんどのようですが、パートで時短で雇っているケースもあるようです。

 

香港で暮らしていると自身の家にはいなくても外に出ると必ずと言っていいほど目にするアマさん。フィリピン人だったりインドネシア人だったり。

道でもスーパーでも見かけます。幼稚園のお迎えの時間になるとアマさんが長蛇の列をなしています。レストランに行っても香港人の家族と一緒に子供の世話をしながらアマさんがいます。

 

MTRに乗ってもベビーカーを押して小さいを連れているアマさんがいます。

 

日曜になるとどこからやってきたのかと思うほど、公園や歩道橋や道にあふれかえるアマさん。ご飯や飲み物、ゲームなど持ち寄って、思い思いに週1回の休みを他のアマさんと楽しそう過ごしている姿は最初はびっくりしたものです。

 

香港に住んでいると慣れてしまう光景ですが、きっと旅行で来る人達もびっくりするんじゃないかなと思います。

 

感想

本当に良かった!!!

 

余韻がすごい。。めっちゃ泣きました。

 

普段は、香港や韓国の映画はあまり見ない派なのですが(英語字幕に集中すると内容が入ってこないというのもあって)、フレンチ映画の「最強のふたり」っていう映画に似ているよって言われて、結構好きなストーリーだったので見に行ったのですが、本当に良かったです。

 

香港の生活と切っても切り離せない、この「阿媽さん」と全身麻痺で誰かの介護がなくては生活ができない「障害者」である主人公とのストーリー。

 

雇い主と家政婦という関係だけど、広東語を教えてあげたり、一緒に食事をしたり、散歩したり、おしゃべりをしたり。時には理解できなくて衝突することもありながら、段々とお互いに心を開き始め、イヴリンの夢を昌榮が叶えるために色々と手助けもしながら絆を結んでいく2人。

 

いつの間にか立場や関係を気にすることなく親友のような関係になっていく過程を見ながらも、周りからは「家政婦は仕事だけをさせればいい」「そこまで家政婦にすることない」「私たちは家政婦なんだから仕事だけをすればいい」「そんな仕事場、早く変わったほうがいい」という現実の声もあったり。

 

でも最後は「雇い主」と「家政婦」という立場でも根本は「人」と人」との繋がりなんだなと感じさせてくれました。

 

「社会的に弱い立場の人たちにレッテルを貼らずに、一般の人と同じで多くの人に誰にでも愛と希望があるということを、この映画で伝えたかったのです」と話すチャン監督の通り、愛と希望にあふれていました。

 

普段生活していると、なかなか気づかない景色。

家政婦(アマさん)と障害者が置かれている社会的なポジションというものを改めて考えさせられながらも、ほっこりとした気持ちにさせてくれました。

 

広東語は「ありがとう」「こんにちは」程度しか分からない私ですが、いつも聞きなれているその広東語が何だかとても心地よくって。昌榮の「英語」と「広東語」のミックスが本当おもしろい。

 

そして昌榮の教える「広東語」が時々かなりのスラングなのですが、イブリンが知らずに日常で使っちゃうシーンとか観客みんな大笑い。監督も主演の黃秋生(アンソニー・ウォン)の広東語スラングがあまりに激しく使えない場面もあったくらいと言うほど、映画でもかなりギリギリラインだったと思います(笑)

 

笑えて泣ける映画を久々に見たような気がします。本当おススメ。

2020年には日本でも公開が決定!

 

ぜひぜひ香港の一面を知れるこの映画見てほしいです。